トルコライスの秘密

標準的トルコライスのシルエット



トルコライスに関するやさしい解説です。 トルコライスをまだ知らない初心者を対象に書かれています。

やさしいトルコライスの解説

 トルコライスをご存知でしょうか?  トルコライスは、九州の一部の地域で食べることができる食べ物で、 一般的には楕円形もしくは円形の洋食皿の上に、 3種のアイテムを乗せてサービスされます。  3種類のアイテムは、ドライカレー・とんかつ・ナポリタンスパゲティ  という組み合わせが一般的ですが、「『エビフライ』が一緒にいた。」とか、 「チキンカツだった」とか、 「ドライカレーではなく、バターライスにカレーソースが掛かっていた。」とか、 「スパゲッティがミートソースだった。」「スパゲッティがアラビアータだった。」 等という情報も、未確認ながら寄せられています。(引き続き、情報を募集します。)  さて、ここまでで非常に鋭い人は、この食べ物の名前の由来と、 九州のどの地域で食べられるか見当がついているのではないでしょうか。  そうです。名前はみなさんご想像の通り、トルコ文化に由来します。9世紀を境として進展したトルコ族による中央アジアのトルコ化と、東進してきていたイスラム化の波とが交わることによって成立したトルコ文化が、後に、トルコ・イスラム文化に発展する訳ですが、西アジアのオスマン朝になってビザンチン文化を継承しつつ新たな展開をみせることはみなさんもご承知かと思います。
 この様に、様々な文化の影響を周囲から取り込みつつ、文化としての完成を見せ、 またその影響を周囲に与えていく様なトルコ文化の特色を踏まえた上で、 先ほどの3種のアイテムである、「とんかつ」「ドライカレー」「スパゲッティ」を見てみると、 この3種のアイテムは、皿の上で出会うべくして出会った食べ物であることが分かります。
 すなわち、中東から入ったカツレツの技法、ナポリ方面からのスパゲッテイ、 そしてインドからのカレーの3者は、トルコで出会い、トルコライスへと発展した訳です。  そしてこのヘレニズム文化を彷彿とさせる食べ物は、 鎖国時代、海外へ開いた唯一の窓であった長崎で開花することになります。
※おことわり:イスラム文化圏では豚肉を食べないので、上の話には矛盾があります。 多くの方にご指摘を頂いているのですが、ではどうして現在のトルコライスがああいう 料理なのかという点については、全然情報がありません。
私の仮説は、(1)最初はチキンカツが乗っていたが、いつのまにかトンカツになった。 (2)最初にトルコライスの名称を付けた人が、イスラム文化圏では豚肉を食べないという ことを知らなかった。というものですが裏付けはありません。
情報をお待ちしております。


 以上で、トルコライスの歴史についての初回の講義を終わります。 次回からは、みなさまから頂いたご意見を元にしながら、 実際のトルコライスがどのようなものか、どこにいけば実際に食べることができるのか、 トルコライス食べ歩記等を掲載したいと思いますが、私は名古屋在住なので、 実際の取材は残念ながらもうしばらく先になりそうです。
 長崎に在住の方や、長崎に旅行等される方は、ぜひトルコライスを探して頂いて、 試して見ていただくと嬉しく思います。その際に写真や感想などをこちらまでお寄せ 下されば、ありがたく掲載させて頂きます。


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